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コラム

自動認識技術について

 近年、自動認識技術が注目を集めています。自動認識技術とは、様々な物体や情報を自動的に認識し、処理する技術のことです。例えば、スマートフォンでのQRコード読み取りや、顔認識技術などがその一例です。本稿では、自動認識技術の現状と課題、そして今後の展望について解説します。

 

自動認識技術の現状

 自動認識技術は、様々な分野で利用されています。例えば、製造業では、自動認識技術により製品の品質管理が行われています。また、バーコードやRFID技術を用いて在庫管理や人、車両の管理が行われています。さらに、医療分野では、画像認識技術を用いた診断支援が行われています。

 

自動認識技術の課題

 自動認識技術には、技術的な課題も存在します。例えば、光学自動認識では、光の照射条件や反射率の変化、読み取り対象の劣化・歪みなどの影響によって、認識精度が低下することがあります。また、生体自動認識では、本人なのに認証しない場合や、本人ではないのに認証してしまうといった誤認識を起こしてしまう恐れがあります。
 他にもプライバシーの問題が挙げられます。顔認識技術を用いた個人の特定や、位置情報の漏洩など、個人情報の保護に関する問題があります。また、自動認識技術によって情報処理が自動化され、人間による判断や介入が不要になることで、誤った情報処理が行われる恐れがあります。
 さらに、自動認識技術が普及することにより、スマートフォンやパソコンを所有していない人は、QRコードを読み取ることができません。そのためQRコードを用いたサービスが利用できないというデジタル格差が生じる恐れもあります。

 

自動認識技術の展望

 自動認識技術は、今後もさらに発展していくことが期待されます。例えば、AI技術を組み合わせることで、より高度な認識精度が実現できるようになります。また、IoT技術と組み合わせることで、よりリアルタイムな情報処理が可能になります。
 さらに、自動認識技術が普及することにより、様々な分野での効率化が図られます。例えば、車両や人をRFIDによってシステム管理することで、人間が手で行っていた管理を自動化でき、施設内の渋滞や待ち時間を減らすことが可能になります。また、生体認証技術を使った例としてインドでは、Aadhaar(アドハー、アダール)というシステムが運用されています。人口およそ14億人のうち、13.2億人が登録(成人の登録率はほぼ100%)している個人認証システムで、1日に7億回以上の認証が実施されています(2022年9月時点)。
 指紋・顔・虹彩といった複数の生体認証を組み合わせた個人認証を行うことで誤認識を減らし運用しています。Aadhaarを用いることで食料や肥料の配布手続き・審査が不要となりさらには不正や搾取が激減しました。

 

次回

 ここまで、自動認識技術の一般論を説明しました。弊社西部電気工業では、自動認識技術のひとつであるRFIDを用いた入退管理システム構築の実績があります。次回はそのRFIDについて紹介します。また、その他開発の日常についても今後紹介していこうと思います。
 次回以降をお楽しみに。

2023.05.22

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