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レガシーシステムからERPへの切り替え(1)~ビジネスの未来を見据えた選択~

【レガシーシステム刷新】ERPへの切替のメリット・デメリット

現代のビジネス環境は、DX化の進展に伴い急速に変化し続けており、多くの企業で新しい技術を活用した業務効率化と競争力の維持が課題となっています。

しかし一部の企業では、「現状の業務内容を変えたくない」などの理由から、未だにオフコン(オフィスコンピューター)、いわゆるレガシーシステムに依存しており、こうした依存は近年「2025年の崖」問題として話題になっています。特に、長年使用されているERP(Enterprise Resource Planning/基幹系情報システム)である「レガシーERP」も同様の課題を抱えており、このままでは法令対応や業務効率の低下といった深刻な問題に発展する可能性があります。

本コラムでは、レガシーシステムを使い続けるデメリットや、レガシーシステムからクラウドERPのような新システムへの更改を行うメリットを解説します。

 

◆レガシーシステムとは


レガシーシステムとは、古い技術やプラットフォームで構築された情報システムのことを指します。これらのシステムは、企業の業務プロセスに長年にわたって深く組み込まれており、新技術へ簡単には移行できないケースが多いです。近年ではサポートを終了するシステムも増えており、代表的なものとしてIBM社のAS/400などが挙げられます。

 

◆レガシーシステムを利用し続けるデメリット


レガシーシステムを利用し続けるデメリット

レガシーシステムを利用し続けるデメリットは、大きく次の4つです。

    1.メーカーサポートが終了している、又は終了が間近に迫っている
    2.互換性の問題でビジネスの変化に対応できない
    3.業務全体の最適化の困難さとコストの増大
    4.人材の高齢化と属人化によるリスク

1.メーカーサポートが終了している、又は終了が間近に迫っている
多くのレガシーシステムは導入から数十年が経過しており、メーカーサポートが終了しているか、終了が間近に迫っていることが多いです。サポートが終了すると、システムトラブルが発生した際の対応やアップデートが受けられず、問題の解決が困難になります。
特に、セキュリティ関連のアップデートが行われないことは、外部からの攻撃に対し脆弱になり、情報漏洩や業務停止といった深刻な被害を招く可能性が高まるため、企業にとって重大なリスクといえるでしょう。

2.互換性の問題でビジネスの変化に対応できない
レガシーシステムは最新システムや技術との互換性が乏しく、新たな事業やグローバルな事業へ対応が難しいこともデメリットの一つです。
特に、クラウドやモバイルデバイスとの連携が欠かせない現代のビジネス環境においては、ビジネスの機会を逃し、企業の競争力低下を招く恐れがあります。

3.業務全体の最適化の困難さとコストの増大
レガシーシステムの過剰なカスタマイズは、システム全体を複雑化させ周辺システムとのデータ連携機能の低下を招くため、全体の最適化ができずに業務プロセスが非効率的になります。
さらに、エンジニア不足やシステムの拡張性の制限により、メンテナンスや運用・保守にかかる費用が増大します。企業は継続的に高いコストを負担しながらも、ビジネスの柔軟性や競争力を失うリスクが高まるでしょう。

4.人材の高齢化と属人化によるリスク
レガシーシステムの担当エンジニアは、導入当初から関わっているベテラン社員が多い傾向にあります。この傾向は将来的な人材不足を引き起こし、業務の属人化が進むリスクを伴います。
属人化は、システムのサイロ化や部分的な最適化などからシステムの維持管理をますます困難にするため、若手人材の育成やシステムの標準化を進め、早急なレガシーシステム更改を検討することが不可欠です。

 

◆レガシーシステム更改のメリット


レガシーシステム更改のメリット

レガシーシステムの更改には、次のようなメリットがあります。

    1.システム運用・保守コストの削減
    2.新しい技術の活用による競争優位性の確保
    3.変化の激しいビジネス環境への柔軟な対応
    4.資産の有効活用と業務効率化
    5.情報セキュリティの強化

1.システム運用・保守コストの削減
古いシステムは、エンジニア不足や技術サポートの終了に伴いコストが増大する傾向にありますが、新システムへ移行することで、運用コストが最適化され無駄な支出を抑えることができます。
また、最新のシステムへ移行し自動化やクラウド技術を活用することで、手作業の削減や効率的なリソース管理が実現可能です。これにより、日常の運用負担が軽減されるだけでなく、人的リソースをより戦略的な業務に割り当てることができ、企業全体の生産性向上につなげることができます。

2.新しい技術の活用による競争優位性の確保
新技術の導入は、市場での競争優位性を確保します。
例えば、クラウドやAIの活用でデータ分析や業務自動化が進むと、迅速な意思決定ができるようになります。
また、クラウドベースのソリューションを導入することで、リソース管理やスケーラビリティが向上し、企業の成長に合わせたシステム拡張を容易に行うことが可能です。これにより、新たなビジネスチャンスを生み出すことができるため、企業の競争力強化につながるでしょう。

3.変化の激しいビジネス環境への柔軟な対応
企業がレガシーシステムを更改することで、グローバルな事業展開や新たなビジネスの機会にも対応できるようになります。最新のシステムは他国の規制や市場の変化に柔軟に対応できるため、グローバル市場での競争力の強化が期待できます。
また、新しい技術やシステムとの互換性が向上し、革新的なビジネスモデルの導入も容易となるため、企業の持続的な成長を支援することが可能です。

4.資産の有効活用と業務効率化
システム更改により、既存の資産を効果的に活用しやすくなり、業務効率が向上します。新しいシステムではインフラやデータの統合が促進され、無駄を省くことでプロセス全体をスムーズに進行させることが可能です。
また、業務プロセスの自動化により、作業の効率が大幅に改善され、社員は重要な業務により多くの時間を費やすことができるでしょう。

5.情報セキュリティの強化
レガシーシステムから新システムへ更改することで、最新のセキュリティ技術を導入し、情報の保護を強化することが可能です。例えば、データ暗号化や多要素認証の採用により、不正アクセスのリスクが低減できることも特徴の一つです。
さらに、法令遵守も容易になるため、顧客や取引先からの信頼を維持し、安全なビジネス運営にもつながります。これにより、企業はサイバー攻撃からの防御力を高めるだけでなく、内部統制の強化も図ることができ、リスクを最小限に抑えることが可能です。

 

本コラムでは、レガシーシステムを使い続けるデメリットや新システムへの更改を行うメリットを解説しました。
次のコラムでは、新システムへ更改する際のポイントを解説します。

 

続きのコラムはこちら
  ・レガシーシステムからERPへの切り替え(2)~ビジネスの未来を見据えた選択~
    https://www.seibu-denki.co.jp/solution/column/erp/legacy2/

2024.09.06

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