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PHSサービス終了の影響とは?西部電気工業が提案する次世代通信sXGPという選択

1990年代に普及したPHSは、低電力・干渉に強い特性から病院や工場など業務利用で広く採用されてきました。しかし、スマートフォンの普及やLTE/5Gの登場で利用者は減少し、維持コストも課題となり、2023年にすべての公衆サービスが終了しました。

長年現場の通信インフラを支えてきたPHSの終了により、院内連絡や構内通話をPHSに依存してきた現場では、「次の選択肢」を早急に見極める必要があります。

もちろんスマートフォンへの置き換えも有力ですが、単に「スマホ+Wi-Fi」に移行するだけでは十分な品質を得られないケースもあります。この記事では、PHS終了後のリスクと課題を整理し、西部電気工業が提案するsXGPによる解決策をわかりやすくご紹介します。

sXGP規格のプライベートLTE


現場の課題:PHSサービス終了がもたらす通信断リスク

PHSサービスの終了は、単なる古い通信サービスの停止にとどまらず、現場の通信断リスクという深刻な課題を生んでいます。特に医療機関や工場では、PHSに依存した院内連絡や構内通話が途絶えることで業務に支障をきたす恐れがあります。


病院では長年、ナースコール連携や院内PBX(構内交換機)の子機としてPHS端末が活用されてきました。2024年度調査では、病院の80.3%が自営PHSを導入しています。(出典:電波環境協議会|2024年度医療機関における適正な電波利用推進に関する調査の結果

一方、公衆PHSの終了後は端末供給・保守体制の継続性に懸念があり、故障時の交換や消耗品の調達、障害時の迅速対応が難しくなるリスクがあります。PHSは音声特化の旧世代技術で、データ活用や機能拡張にも限界があります。

ナースコールや患者呼び出しなど病院の生命線となる通信をPHSに依存している現状は、サービス終了によって大きなリスクに直面しているのです。


そこで多くの現場が検討するのが、社用スマートフォンへの置き換えWi-Fiによる内線通話化です。しかし「スマホ+Wi-Fi」だけでは通話品質の課題が顕在化する場合があります。

例えば、病院でスマートフォンの内線通話(VoIP)を導入すると、無線LAN環境によっては音声が遅延・途切れたり、通話が途中で切断されるケースも報告されています。SNS等を使ったWi-Fi通話で音が途切れた経験をした方も多いのではないでしょうか。

Wi-Fiは高速データ通信に優れる一方、2.4GHz/5GHz帯の電波干渉を受けやすく、オフィスや病院内で安定した音声通話品質を維持するには多数のアクセスポイント設置による高密度な電波環境整備が必要です。特にアクセスポイント間のハンドオーバー(通信切替)がスムーズでないため、移動しながらの通話中に音声が途切れる問題も起こりがちです。

このように、スマホ内線化はデータ活用面でメリットがある反面、PHS並みの「つながる安心感」を確保するには課題が残るのです。単純なスマホ置き換えが不十分な理由は、まさにこの通話品質と安定性にあります。


西部電気工業が推奨する「sXGP」という選択肢

sXGPは、免許不要で構築できるプライベートLTEです。PHSと同じ1.9GHz帯を利用するため、既存の院内・構内PHSと同等の「つながりやすさ」を引き継ぎながら、LTE技術で安定性と拡張性を高められます。以下に主な特徴をまとめます。

特徴 内容 メリット
周波数帯 1.9GHz帯(Band 39)

壁や機器越しでも電波が届きやすく、
医療機器への干渉も少ない

免許制度 無線局免許が不要 申請負担が小さく導入しやすい
通信方式 4G LTE(TD-LTE) スマホやIoT機器を幅広く接続可能
カバー範囲 1局で約100m(目安) 少ない基地局で広くカバーしやすい
ハンドオーバー/音声 LTE標準制御+VoLTE 移動中でも通話が途切れにくく良好な音質

このように、sXGPはPHSの使い勝手+LTEの拡張性を兼ね備え、現場通信の更新に適した選択肢です。

詳しくは以下の記事もご参照ください。

関連コラム:sXGPとは?Wi-Fiやローカル5Gとの違いと導入メリットを徹底解説

sXGPとは?Wi-Fiやローカル5Gとの違いと導入メリットを徹底解説


sXGP導入の業界別メリット:PHSの代替ではなく進化

sXGPは、PHSの使い勝手を引き継ぎつつLTE技術で強化した現場コミュニケーションのプラットフォームです。以下で、業界ごとのメリットを整理します。


1.9GHz帯の特性により、遮蔽物が多い院内エリアでも安定した音声通話を実現しやすく、医療機器への干渉も抑えられることがメリットです。

専用アプリや連携ソフトを介すことで、ナースコールや電子カルテの通知をスマートフォンに集約できます。院内に自営の閉域網を構築できるため、公衆回線の障害時も院内連絡を継続しやすい点がBCPの観点で有効です。

災害や停電などの非常時においても、sXGPは院内に独立した通信網を確立できるため、外部ネットワークの影響を受けにくいというメリットがあります。大規模災害で携帯電話網が混雑・不通となった場合でも、医師や看護師間の連絡を維持できるのは大きな安心材料です。

また、PHSでは音声通話のみが主でしたが、sXGPでは患者情報や写真の共有、医療アプリとの連携が可能となり、業務効率や医療安全の向上につながります。


1局約100mのカバーと少ない局数で広い構内を設計しやすいのが特徴です。金属設備や棚が多い環境でも回り込みに強く、構内連絡の安定性を高めます。

スマートフォンでの写真・動画共有や手順書参照に加え、センサー/カメラをsXGP対応CPE等と組み合わせれば、場所により電源のみで配線を省く運用が可能なケースもあります。

加えて、IoTデバイスやセンサーとの親和性もメリットです。温湿度や稼働状況をモニタリングする各種センサーをsXGP経由で集約し、リアルタイムにデータを活用することで、生産ラインの可視化や予防保全に役立てることができます。従来のPHSでは困難だったデータ連携が進むことで、工場や倉庫のDX推進に直結します。

また、騒音が大きい現場でもVoLTEによる高品質通話により指示が聞き取りやすく、作業ミス防止にも有効です。


グループ通話・一斉呼び出しは、対応アプリ/システムを用いることでスタッフ全体への素早い伝達に有効です。施設内に構築した閉域のsXGPネットワークは、停電・公衆回線障害時の連絡確保につながります。

また、通信の暗号化と端末のSIM認証により、プライバシー配慮が求められる現場でも運用しやすくなります。

ホテルや介護施設では、利用者や宿泊客の安全確保が最重要課題です。sXGPではスタッフへの緊急一斉呼び出しが可能なため、火災や地震など突発事態の際に、全員へ同時に避難指示安否確認を行うことができます。これは従来構成では実装・運用が難しい場合がありました。

また、介護施設では見守りセンサーやナースコールからの通知をスマホ1台に集約でき、介護士が移動中でも対応できます。結果として、入居者への対応時間短縮やスタッフ間の情報共有が改善され、安心できるケア環境の実現につながります。


まとめ:PHS終了は現場の通信インフラ刷新のチャンス

PHSのサービス終了は、見方を変えれば現場の通信インフラを見直し、刷新する絶好のチャンスです。旧来のPHSに代わり登場したsXGPという次世代通信は、単なる代替ではなく業務効率と安全性を飛躍させるポテンシャルを秘めています。

スマートフォンとの組み合わせによって一台で何役もこなし、これまで見えなかった情報を共有し、新しい働き方を支える基盤となるでしょう。PHS終了という出来事をきっかけに、ぜひ通信環境のアップデートを前向きにご検討ください。西部電気工業は、その一歩を踏み出す皆様を全面的にサポートいたします。

PHS後継システムについて詳しく知りたい方や具体的な導入をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。

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更新日:2025.09.01